神社・寺の公式Webサイト制作｜参拝者に選ばれるデザインと機能

神社・寺院の公式Webサイトは、伝統と信仰を守りながら、現代の参拝者に必要な情報を正確かつやさしく届ける“オンラインの社務所・寺務所”です。
初詣や例祭・法要、祈祷や供養、御朱印や授与品、境内の見どころ、参拝作法、アクセス・駐車場といった実務的導線を「迷わず・気持ちよく」辿れることが選ばれる理由になります。
本稿では、寺社の公式サイトを“参拝者に選ばれるサイト”へ導くためのデザイン戦略と必要機能、WordPressでの実装ポイントまでを一気通貫で整理します。

公式サイトの役割とKPI（参拝・行事・護持）

• 参拝支援：参拝時間、混雑の目安、駐車場、境内の回り方、作法ガイド。
• 行事参加の促進：年中行事・祭礼・法要の告知と予約、持ち物・受付場所の明記。
• 護持・維持：寄付/護持会の案内、使途の明確化、領収・控えの取扱い。

KPIは「行事予約数」「祈祷・法要申し込み数」「寄付申込数」「参拝案内ページの回遊率」など。
TOP・各行事ページ・アクセスページにCVボタン（予約/問い合わせ/寄付）を常設し、最短2クリックで到達できる導線を設計します。

参拝者が求める必須コンテンツ

• ご由緒・歴史：年表/写真アーカイブ/文化財の見どころ。
• 年中行事：日程・受付・所要時間・注意事項・雨天時の扱い・写真の可否。
• 祈祷・法要：目的別（厄除・安産・合格・先祖/水子供養 等）に手順と初穂料/布施の目安。
• 御朱印・授与品：対応時間、書置きの有無、授与所の場所、郵送/オンラインの可否。
• 境内案内：本殿/本堂、摂社末社/塔頭、手水舎、多目的トイレ、休憩所、授乳室。
• アクセス：最寄駅/バス、駐車台数、混雑期の交通規制、周辺図。
• お知らせ：臨時閉門、工事、台風・猛暑対応などの最新情報。
• 参拝マナー：撮影可否、ペット、飲食、喫煙などのルールを平易に。

デザインのトーン＆マナー（敬意とわかりやすさ）

• 色と書体：伝統色（紺・朱・墨・金）を基調に、UD系フォントで可読性を担保。
• 写真表現：儀礼の厳粛さを損なわない構図とクレジット。同意を得た人物写真のみ掲載。
• 文体：過度な誇張を避け、誰にでも伝わる平明な敬語で統一。
• UI：穏やかなアニメーション、落ち着いた余白、強すぎない装飾。

迷わせない導線設計（予約・アクセスまで最短）

• メガメニュー：「参拝のご案内」「祈祷/法要」「年中行事」「御朱印/授与品」「境内案内」「アクセス/お問い合わせ」。
• 行事→予約：各行事ページの冒頭に日時/持ち物/予約ボタン。FAQと注意事項を同一画面に。
• 関連導線：祈祷→アクセス/駐車場、行事→写真ギャラリー/注意事項、御朱印→時間/地図。
• 回遊補助：パンくず、関連リンク、「次に読む」で迷子を防ぐ。

“選ばれる”ための主要機能（予約・授与・寄付）

• 予約フォーム：祈祷/法要の目的・人数・希望日時・氏名・連絡先・備考。自動返信に注意事項を再掲。
• 授与品案内：御守・御札の写真と説明、頒布可否/発送条件、在庫や授与時間の目安。
• 寄付/護持会：目的・使途、申込手順、領収書の扱い、定期寄付の有無。
• 御朱印情報：書置き/直書き、受付時間、混雑時の案内、マナーの周知。

アクセス/境内案内/バリアフリー情報

• アクセス：最寄駅/バス停、徒歩ルート、駐車台数、ピーク時の誘導。
• 境内マップ：段差/スロープ、車椅子ルート、多目的トイレ、授乳室、AED位置。
• 開門時間：季節変動、最終受付時刻、悪天候時の運用。

多言語対応とインバウンド設計

• 主要言語：英語・繁体字・簡体字・韓国語の簡易版ページを用意。
• 文化差への配慮：宗教用語の訳注、撮影/マナーの多言語表記。
• 図解・ピクト：テキストが読めない訪日客にも伝わるアイコンと境内図。

検索対策と構造化データ（PlaceOfWorship/Event/FAQ）

• ローカルSEO：正式名称、住所、電話、開門時間、地図埋め込みの整備。
• 構造化データ：PlaceOfWorship、Event（祭礼/法要）、BreadcrumbList、FAQPage。
• コンテンツ設計：「行事名＋地域」「御朱印＋時間」「祈祷＋申込」の検索意図に対応した記事化。

表示速度・セキュリティ・個人情報配慮

• 速度最適化：画像のWebP/AVIF化、遅延読み込み、国内CDN、Critical CSS。
• セキュリティ：WAF、常時SSL、二要素認証、権限の最小化、定期バックアップ。
• 個人情報：祈願内容は機微情報。保存期間・目的外利用禁止・問い合わせ窓口を明記。

WordPress実装（CTP/承認/期限管理）

• カスタム投稿タイプ：年中行事、祈祷/法要、御朱印/授与品、お知らせ、境内案内。
• カスタムフィールド：行事日時、受付場所、持ち物、注意事項、授与所の時間、バリアフリー情報。
• 承認ワークフロー：寄稿→レビュー→公開。公開予約と掲載期限で情報鮮度を維持。
• ステージング：テーマ/プラグイン更新は検証環境でテスト後に本番反映。

非常時の告知運用（全ページ告知バー）

• 全ページ固定バナー：災害・台風・交通障害・臨時閉門を即時告知。
• 告知テンプレ：影響範囲、代替日程、問合せ先、更新日時を定型化。
• フォーム連動：中止時は予約フォームを停止し、代替案ページへ誘導。

効果測定と改善（GA4/ヒートマップ）

• CV計測：行事予約・祈祷申込・寄付・お問い合わせのイベント計測。
• 行動分析：回遊経路、離脱ページ、FAQ閲覧後の行動を確認しUIを改善。
• 継続改善：季節行事の写真更新、FAQの追加、CTA文言と配置のABテスト。

まとめ｜伝統を守り、現代に伝える

寺社サイトの本質は、敬意とわかりやすさの両立です。
正確な情報、迷わない導線、必要十分な機能、そして安心して使える基盤を整えることで、参拝者に選ばれる公式サイトが実現します。
WordPressで更新しやすい構造を整え、季節と行事に合わせて“息づく運用”を続けましょう。